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介護保険法

(平成九年十二月十七日 法律第百二十三号)

目次

第一章 総則(第一条―第八条)

第二章 被保険者(第九条―第十三条)

第三章 介護認定審査会(第十四条―第十七条)

第四章 保険給付

第一節 通則(第十八条―第二十六条)
第二節 認定(第二十七条―第三十九条)
第三節 介護給付(第四十条―第五十一条)
第四節 予防給付(第五十二条―第六十一条)
第五節 市町村特別給付(第六十二条)
第六節 保険給付の制限等(第六十三条―第六十九条)
第五章 事業者及び施設

第一節 指定居宅サービス事業者(第七十条―第七十八条)
第二節 指定居宅介護支援事業者(第七十九条―第八十五条)
第三節 介護保険施設
第一款 指定介護老人福祉施設(第八十六条―第九十三条)
第二款 介護老人保健施設(第九十四条―第百六条)
第三款 指定介護療養型医療施設(第百七条―第百十五条)
第六章 介護保険事業計画(第百十六条―第百二十条)

第七章 費用等

第一節 費用の負担(第百二十一条―第百四十六条)
第二節 財政安定化基金等(第百四十七条―第百四十九条)
第三節 医療保険者の納付金(第百五十条―第百五十九条)
第八章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務(第百六十条―第百七十四条)

第九章 保健福祉事業(第百七十五条)

第十章 国民健康保険団体連合会の介護保険事業関係業務(第百七十六条―第百七十八条)

第十一章 介護給付費審査委員会(第百七十九条―第百八十二条)

第十二章 審査請求(第百八十三条―第百九十六条)

第十三章 雑則(第百九十七条―第二百四条)

第十四章 罰則(第二百五条―第二百十五条)

附則

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

(介護保険)
第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要介護状態となるおそれがある状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。

2 前項の保険給付は、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介護状態となることの予防に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。

3 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。

4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

(保険者)
第三条 市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする。

2 市町村及び特別区は、介護保険に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。

(国民の努力及び義務)
第四条 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。

2 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。

(国及び都道府県の責務)
第五条 国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他必要な各般の措置を講じなければならない。

2 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な指導及び適切な援助をしなければならない。

(医療保険者の協力)
第六条 医療保険者は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない。

(定義)
第七条 この法律において「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するものをいう。

2 この法律において「要介護状態となるおそれがある状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、厚生省令で定める期間にわたり継続して、日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態(厚生省令で定める程度のものに限る。)であって、要介護状態以外の状態をいう。

3 この法律において「要介護者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 要介護状態にある六十五歳以上の者
二 要介護状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(以下「特定疾病」という。)によって生じたものであるもの
4 この法律において「要支援者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 要介護状態となるおそれがある状態にある六十五歳以上の者
二 要介護状態となるおそれがある状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態となるおそれがある状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであるもの
5 この法律において「居宅サービス」とは、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護及び福祉用具貸与をいい、「居宅サービス事業」とは居宅サービスを行う事業をいう。

6 この法律において「訪問介護」とは、要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)であって、居宅(老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の六に規定する軽費老人ホーム、同法第二十九条第一項に規定する有料老人ホーム(第十六項において単に「有料老人ホーム」という。)その他の厚生省令で定める施設における居室を含む。以下同じ。)において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者等」という。)について、その者の居宅において介護福祉士その他厚生省令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生省令で定めるものをいう。

7 この法律において「訪問入浴介護」とは、居宅要介護者等について、その者の居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介護をいう。

8 この法律において「訪問看護」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において看護婦その他厚生省令で定める者により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。

9 この法律において「訪問リハビリテーション」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。

10 この法律において「居宅療養管理指導」とは、居宅要介護者等について、病院、診療所又は薬局の医師、歯科医師、薬剤師その他厚生省令で定める者により行われる療養上の管理及び指導であって、厚生省令で定めるものをいう。

11 この法律において「通所介護」とは、居宅要介護者等について、老人福祉法第五条の二第三項に規定する厚生省令で定める施設又は同法第二十条の二の二に規定する老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴及び食事の提供(これらに伴う介護を含む。)その他の日常生活上の世話であって厚生省令で定めるもの並びに機能訓練を行うことをいう。

12 この法律において「通所リハビリテーション」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、介護老人保健施設、病院、診療所その他の厚生省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことをいう。

13 この法律において「短期入所生活介護」とは、居宅要介護者等について、老人福祉法第五条の二第四項に規定する厚生省令で定める施設又は同法第二十条の三に規定する老人短期入所施設に短期間入所させ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。

14 この法律において「短期入所療養介護」とは、居宅要介護者等(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。)について、介護老人保健施設、介護療養型医療施設その他の厚生省令で定める施設に短期間入所させ、当該施設において看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことをいう。

15 この法律において「痴呆対応型共同生活介護」とは、要介護者であって痴呆の状態にあるもの(当該痴呆に伴って著しい精神症状を呈する者及び当該痴呆に伴って著しい行動異常がある者並びにその者の痴呆の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。

16 この法律において「特定施設入所者生活介護」とは、有料老人ホームその他厚生省令で定める施設(以下この項において「特定施設」という。)に入所している要介護者等について、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。

17 この法律において「福祉用具貸与」とは、居宅要介護者等について行われる福祉用具(心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのものをいう。第四十四条第一項において同じ。)のうち厚生大臣が定めるものの貸与をいう。

18 この法律において「居宅介護支援」とは、居宅要介護者等が第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス又は特例居宅介護サービス費若しくは特例居宅支援サービス費に係る居宅サービス若しくはこれに相当するサービス及びその他の居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービス(以下この項において「指定居宅サービス等」という。)の適切な利用等をすることができるよう、当該居宅要介護者等の依頼を受けて、その心身の状況、その置かれている環境、当該居宅要介護者等及びその家族の希望等を勘案し、利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画(以下この項において「居宅サービス計画」という。)を作成するとともに、当該居宅サービス計画に基づく指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、同条第一項に規定する指定居宅サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を行い、及び当該居宅要介護者等が介護保険施設への入所を要する場合にあっては、介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うことをいい、「居宅介護支援事業」とは、居宅介護支援を行う事業をいう。

19 この法律において「介護保険施設」とは、第四十八条第一項第一号に規定する指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び同項第三号に規定する指定介護療養型医療施設をいう。

20 この法律において「施設サービス」とは、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスをいい、「施設サービス計画」とは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設又は介護療養型医療施設に入所している要介護者について、これらの施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画をいう。

21 この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホームであって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。

22 この法律において「介護老人保健施設」とは、要介護者(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、第九十四条第一項の都道府県知事の許可を受けたものをいい、「介護保健施設サービス」とは、介護老人保健施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話をいう。

23 この法律において「介護療養型医療施設」とは、療養型病床群等(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第三項に規定する療養型病床群(その全部又は一部について専ら要介護者を入院させるものに限る。)又は同法第二十一条第一項ただし書の都道府県知事の許可を受けた病院その他のこれに準ずる病院であって政令で定めるものの病床のうち痴呆の状態にある要介護者の心身の特性に応じた適切な看護が行われるものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)を有する病院又は診療所であって、当該療養型病床群等(当該療養型病床群のうちその一部について専ら要介護者を入院させるものにあっては、当該専ら要介護者を入院させる部分に限る。以下同じ。)に入院する要介護者(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他必要な医療を行うことを目的とする施設をいい、「介護療養施設サービス」とは、介護療養型医療施設の療養型病床群等に入院する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他必要な医療をいう。

24 この法律において「医療保険各法」とは、次に掲げる法律をいう。

一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)
二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)
三 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)
四 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)
五 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)
六 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)
25 この法律において「医療保険者」とは、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う政府、健康保険組合、市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

26 この法律において「医療保険加入者」とは、次に掲げる者をいう。

一 健康保険法の規定による被保険者。ただし、同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者を除く。
二 船員保険法の規定による被保険者
三 国民健康保険法の規定による被保険者
四 国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組合法に基づく共済組合の組合員
五 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
六 健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者。ただし、健康保険法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。
七 健康保険法第六十九条の九の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第六十九条の八の規定による承認を受けて同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第六十九条の九第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。
(諮問)
第八条 厚生大臣は、この法律の規定による介護保険に関する重要事項については、あらかじめ、政令で定める審議会(以下「審議会」という。)に諮問するものとする。

(もどる)

第二章 被保険者
(被保険者)
第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)が行う介護保険の被保険者とする。

一 市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の者(以下「第一号被保険者」という。)
二 市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者(以下「第二号被保険者」という。)
(資格取得の時期)
第十条 前条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日から、その資格を取得する。

一 当該市町村の区域内に住所を有する医療保険加入者が四十歳に達したとき。
二 四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者又は六十五歳以上の者が当該市町村の区域内に住所を有するに至ったとき。
三 当該市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の者が医療保険加入者となったとき。
四 当該市町村の区域内に住所を有する者(医療保険加入者を除く。)が六十五歳に達したとき。
(資格喪失の時期)
第十一条 第九条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日に他の市町村の区域内に住所を有するに至ったときは、その日から、その資格を喪失する。

2 第二号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する。

(届出等)
第十二条 第一号被保険者は、厚生省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならない。ただし、第十条第四号に該当するに至ったことにより被保険者の資格を取得した場合(厚生省令で定める場合を除く。)については、この限りでない。

2 第一号被保険者の属する世帯の世帯主は、その世帯に属する第一号被保険者に代わって、当該第一号被保険者に係る前項の規定による届出をすることができる。

3 被保険者は、市町村に対し、当該被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。

4 被保険者は、その資格を喪失したときは、厚生省令で定めるところにより、速やかに、被保険者証を返還しなければならない。

5 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条から第二十五条までの規定による届出があったとき(当該届出に係る書面に同法第二十八条の二の規定による付記がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由に基づく第一項本文の規定による届出があったものとみなす。

6 前各項に規定するもののほか、被保険者に関する届出及び被保険者証に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(介護保険施設に入所中の被保険者の特例)
第十三条 介護保険施設に入所することにより当該介護保険施設の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であって、当該介護保険施設に入所した際他の市町村(当該介護保険施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、第九条の規定にかかわらず、当該他の市町村が行う介護保険の被保険者とする。ただし、二以上の介護保険施設に継続して入所している被保険者であって、現に入所している介護保険施設(以下この項及び次項において「現入所施設」という。)に入所する直前に入所していた介護保険施設(以下この項において「直前入所施設」という。)及び現入所施設のそれぞれに入所することにより直前入所施設及び現入所施設のそれぞれの所在する場所に順次住所を変更したと認められるもの(次項において「特定継続入所被保険者」という。)については、この限りでない。

2 特定継続入所被保険者のうち、次の各号に掲げるものは、第九条の規定にかかわらず、当該各号に定める市町村が行う介護保険の被保険者とする。

一  継続して入所している二以上の介護保険施設のそれぞれに入所することによりそれぞれの介護保険施設の所在する場所に順次住所を変更したと認められる被保険者であって、当該二以上の介護保険施設のうち最初の介護保険施設に入所した際他の市町村(現入所施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの 当該他の市町村
二 継続して入所している二以上の介護保険施設のうち一の介護保険施設から継続して他の介護保険施設に入所すること(以下この号において「継続入所」という。)により当該一の介護保険施設の所在する場所以外の場所から当該他の介護保険施設の所在する場所への住所の変更(以下この号において「特定住所変更」という。)を行ったと認められる被保険者であって、最後に行った特定住所変更に係る継続入所の際他の市町村(現入所施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの 当該他の市町村
3 前二項の規定の適用を受ける被保険者が入所している介護保険施設は、当該介護保険施設の所在する市町村及び当該被保険者に対し介護保険を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。

(もどる

第三章 介護認定審査会
(介護認定審査会)
第十四条 第三十八条第二項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会(以下「認定審査会」という。)を置く。

(委員)
第十五条 認定審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い条例で定める数とする。

2 委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区にあっては、区長)が任命する。

(共同設置の支援)
第十六条 都道府県は、認定審査会について地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の七第一項の規定による共同設置をしようとする市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。

2 都道府県は、認定審査会を共同設置した市町村に対し、その円滑な運営が確保されるように必要な技術的な助言その他の援助をすることができる。

(政令への委任規定)
第十七条 この法律に定めるもののほか、認定審査会に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 保険給付
第一節 通則
(保険給付の種類)
第十八条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 被保険者の要介護状態に関する保険給付(以下「介護給付」という。)
二 被保険者の要介護状態となるおそれがある状態に関する保険給付(以下「予防給付」という。)
三 前二号に掲げるもののほか、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介護状態となることの予防に資する保険給付として条例で定めるもの(第五節において「市町村特別給付」という。)
(市町村の認定)
第十九条 介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、市町村の認定(以下「要介護認定」という。)を受けなければならない。

2 予防給付を受けようとする被保険者は、要支援者に該当することについて、市町村の認定(以下「要支援認定」という。)を受けなければならない。

(他の法令による給付との調整)
第二十条 介護給付又は予防給付(以下「介護給付等」という。)は、当該要介護状態又は要介護状態となるおそれがある状態(以下「要介護状態等」という。)につき、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償給付若しくは療養給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち介護給付等に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、又は当該政令で定める給付以外の給付であって国若しくは地方公共団体の負担において介護給付等に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。

(損害賠償請求権)
第二十一条 市町村は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。

2 前項に規定する場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、市町村は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。

3 市町村は、第一項の規定により取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又は収納の事務を国民健康保険法第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)であって厚生省令で定めるものに委託することができる。

(不正利得の徴収等)
第二十二条 偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、市町村は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。

2 前項に規定する場合において、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション又は短期入所療養介護についてその治療の必要の程度につき診断する医師その他居宅サービス若しくはこれに相当するサービス又は施設サービスに従事する医師又は歯科医師が、市町村に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、市町村は、当該医師又は歯科医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して同項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。

3 市町村は、第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者、第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設(以下この項において「指定居宅サービス事業者等」という。)が、偽りその他不正の行為により第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)又は第四十八条第五項の規定による支払を受けたときは、当該指定居宅サービス事業者等に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。

(文書の提出等)
第二十三条 市町村は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該保険給付を受ける者又は当該保険給付に係る居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービスを担当する者、保険給付に係る第四十四条第一項に規定する特定福祉用具を販売する者若しくは保険給付に係る第四十五条第一項に規定する住宅改修を行う者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を求め、若しくは依頼し、又は当該職員に質問若しくは照会をさせることができる。

(帳簿書類の提示等)
第二十四条 厚生大臣又は都道府県知事は、介護給付等(居宅介護福祉用具購入費の支給及び居宅介護住宅改修費の支給並びに居宅支援福祉用具購入費の支給及び居宅支援住宅改修費の支給を除く。次項及び第二百八条において同じ。)に関して必要があると認めるときは、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス(以下「居宅サービス等」という。)を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った居宅サービス等に関し、報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

2 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、介護給付等を受けた被保険者又は被保険者であった者に対し、当該介護給付等に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

3 前二項の規定による質問を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(受給権の保護)
第二十五条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

(租税その他の公課の禁止)
第二十六条 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。

第二節 認定
(要介護認定)
第二十七条 要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生省令で定めるところにより、第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設(以下この条及び第三十二条第一項において「指定居宅介護支援事業者等」という。)に、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。

2 市町村は、前項の申請があったときは、当該職員をして、当該申請に係る被保険者に面接させ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生省令で定める事項について調査をさせるものとする。この場合において、市町村は、当該調査を指定居宅介護支援事業者等に委託することができる。

3 前項後段の規定により委託を受けた指定居宅介護支援事業者等は、第七十九条第二項第二号に規定する介護支援専門員その他厚生省令で定める者に当該委託に係る調査を行わせるものとする。

4 第二項後段の規定により委託を受けた指定居宅介護支援事業者等の役員若しくは前項の介護支援専門員その他厚生省令で定める者又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、当該委託業務に関して知り得た個人の秘密を漏らしてはならない。

5 第二項後段の規定により委託を受けた指定居宅介護支援事業者等の役員又は第三項の介護支援専門員その他厚生省令で定める者で、当該委託業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

6 市町村は、第一項の申請があったときは、当該申請に係る被保険者の主治の医師に対し、当該被保険者の身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等につき意見を求めるものとする。ただし、当該被保険者に係る主治の医師がないときその他当該意見を求めることが困難なときは、市町村は、当該被保険者に対して、その指定する医師又は当該職員で医師であるものの診断を受けるべきことを命ずることができる。

7 市町村は、第二項の調査の結果、前項の主治の医師の意見又は指定する医師若しくは当該職員で医師であるものの診断の結果その他厚生省令で定める事項を認定審査会に通知し、第一項の申請に係る被保険者について、次の各号に掲げる被保険者の区分に応じ、当該各号に定める事項に関し審査及び判定を求めるものとする。

一 第一号被保険者 要介護状態に該当すること及びその該当する要介護状態区分
二 第二号被保険者 要介護状態に該当すること、その該当する要介護状態区分及びその要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであること。
8 認定審査会は、前項の規定により審査及び判定を求められたときは、厚生大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、同項各号に規定する事項に関し審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知するものとする。この場合において、認定審査会は、必要があると認めるときは、次に掲げる事項について、市町村に意見を述べることができる。

一 当該被保険者の要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養に関する事項
二 第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス又は第四十八条第一項に規定する指定施設サービス等の適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項
9 認定審査会は、前項前段の審査及び判定をするに当たって必要があると認めるときは、当該審査及び判定に係る被保険者、その家族、第六項の主治の医師その他の関係者の意見を聴くことができる。

10 市町村は、第八項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護認定をしたときは、その結果を当該要介護認定に係る被保険者に通知しなければならない。この場合において、市町村は、次に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

一 該当する要介護状態区分
二 第八項第二号に掲げる事項に係る認定審査会の意見
11 要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。

12 市町村は、第八項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護者に該当しないと認めたときは、理由を付して、その旨を第一項の申請に係る被保険者に通知するとともに、当該被保険者の被保険者証を返付するものとする。

13 市町村は、第一項の申請に係る被保険者が、正当な理由なしに、第二項の規定による調査に応じないとき、又は第六項ただし書の規定による診断命令に従わないときは、第一項の申請を却下することができる。

14 第一項の申請に対する処分は、当該申請のあった日から三十日以内にしなければならない。ただし、当該申請に係る被保険者の心身の状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合には、当該申請のあった日から三十日以内に、当該被保険者に対し、当該申請に対する処分をするためになお要する期間(次項において「処理見込期間」という。)及びその理由を通知し、これを延期することができる。

15 第一項の申請をした日から三十日以内に当該申請に対する処分がされないとき、若しくは前項ただし書の通知がないとき、又は処理見込期間が経過した日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請に係る被保険者は、市町村が当該申請を却下したものとみなすことができる。

16 厚生大臣は、第八項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(要介護認定の更新)
第二十八条 要介護認定は、要介護状態区分に応じて厚生省令で定める期間(以下この条において「有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

2 要介護認定を受けた被保険者は、有効期間の満了後においても要介護状態に該当すると見込まれるときは、厚生省令で定めるところにより、市町村に対し、当該要介護認定の更新(以下「要介護更新認定」という。)の申請をすることができる。

3 前項の申請をすることができる被保険者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、当該被保険者は、その理由のやんだ日から一月以内に限り、要介護更新認定の申請をすることができる。

4 前条(第十一項を除く。)の規定は、前二項の申請及び当該申請に係る要介護更新認定について準用する。この場合において、同条の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

5 第三項の申請に係る要介護更新認定は、当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了日の翌日にさかのぼってその効力を生ずる。

6 第一項の規定は、要介護更新認定について準用する。この場合において、同項中「厚生省令で定める期間」とあるのは、「有効期間の満了日の翌日から厚生省令で定める期間」と読み替えるものとする。

(要介護状態区分の変更の認定)
第二十九条 要介護認定を受けた被保険者は、その介護の必要の程度が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当すると認めるときは、厚生省令で定めるところにより、市町村に対し、要介護状態区分の変更の認定の申請をすることができる。

2 第二十七条の規定は、前項の申請及び当該申請に係る要介護状態区分の変更の認定について準用する。

第三十条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者について、その介護の必要の程度が低下したことにより当該要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当するに至ったと認めるときは、要介護状態区分の変更の認定をすることができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該変更の認定に係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、これに当該変更の認定に係る要介護状態区分及び次項において準用する第二十七条第八項後段の規定による認定審査会の意見(同項第二号に掲げる事項に係るものに限る。)を記載し、これを返付するものとする。

2 第二十七条第二項から第九項まで及び第十項前段の規定は、前項の要介護状態区分の変更の認定について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(要介護認定の取消し)
第三十一条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該要介護認定を取り消すことができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該取消しに係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、第二十七条第十項各号に掲げる事項の記載を消除し、これを返付するものとする。

一 要介護者に該当しなくなったと認めるとき。
二 正当な理由なしに、前条第二項若しくは次項において準用する第二十七条第二項の規定による調査に応じないとき、又は前条第二項若しくは次項において準用する第二十七条第六項ただし書の規定による診断命令に従わないとき。
2 第二十七条第二項から第七項まで、第八項前段、第九項及び第十項前段の規定は、前項第一号の規定による要介護認定の取消しについて準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(要支援認定)
第三十二条 要支援認定を受けようとする被保険者は、厚生省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生省令で定めるところにより、指定居宅介護支援事業者等に、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。

2 第二十七条第二項から第六項までの規定は、前項の申請に係る調査並びに前項の申請に係る被保険者の主治の医師の意見及び当該被保険者に対する診断命令について準用する。

3 市町村は、前項において準用する第二十七条第二項の調査の結果、前項において準用する同条第六項の主治の医師の意見又は指定する医師若しくは当該職員で医師であるものの診断の結果その他厚生省令で定める事項を認定審査会に通知し、第一項の申請に係る被保険者について、次の各号に掲げる被保険者の区分に応じ、当該各号に定める事項に関し審査及び判定を求めるものとする。

一 第一号被保険者 要介護状態となるおそれがある状態に該当すること。
二 第二号被保険者 要介護状態となるおそれがある状態に該当すること及びその要介護状態となるおそれがある状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであること。
4 認定審査会は、前項の規定により審査及び判定を求められたときは、厚生大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、同項各号に規定する事項に関し審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知するものとする。この場合において、認定審査会は、必要があると認めるときは、次に掲げる事項について、市町村に意見を述べることができる。

一 当該被保険者が要介護状態となることを予防するために必要な療養及び家事に係る援助に関する事項
二 第四十一条第一項に規定する指定居宅サービスの適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項
5 第二十七条第九項の規定は、前項前段の審査及び判定について準用する。

6 市町村は、第四項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要支援認定をしたときは、その結果を当該要支援認定に係る被保険者に通知しなければならない。この場合において、市町村は、次に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

一 要支援者に該当する旨
二 第四項第二号に掲げる事項に係る認定審査会の意見
7 要支援認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。

8 市町村は、第四項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要支援者に該当しないと認めたときは、理由を付して、その旨を第一項の申請に係る被保険者に通知するとともに、当該被保険者の被保険者証を返付するものとする。

9 第二十七条第十三項から第十五項までの規定は、第一項の申請及び当該申請に対する処分について準用する。

10 厚生大臣は、第四項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

(要支援認定の更新)
第三十三条 要支援認定は、厚生省令で定める期間(以下この条において「有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

2 要支援認定を受けた被保険者は、有効期間の満了後においても要介護状態となるおそれがある状態に該当すると見込まれるときは、厚生省令で定めるところにより、市町村に対し、当該要支援認定の更新(以下「要支援更新認定」という。)の申請をすることができる。

3 前項の申請をすることができる被保険者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る要支援認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、当該被保険者は、その理由のやんだ日から一月以内に限り、要支援更新認定の申請をすることができる。

4 前条(第七項を除く。)の規定は、前二項の申請及び当該申請に係る要支援更新認定について準用する。この場合において、同条の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

5 第三項の申請に係る要支援更新認定は、当該申請に係る要支援認定の有効期間の満了日の翌日にさかのぼってその効力を生ずる。

6 第一項の規定は、要支援更新認定について準用する。この場合において、同項中「厚生省令で定める期間」とあるのは、「有効期間の満了日の翌日から厚生省令で定める期間」と読み替えるものとする。

(要支援認定の取消し)
第三十四条 市町村は、要支援認定を受けた被保険者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該要支援認定を取り消すことができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該取消しに係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、第三十二条第六項各号に掲げる事項の記載を消除し、これを返付するものとする。

一 要支援者に該当しなくなったと認めるとき。
二 正当な理由なしに、次項において準用する第三十二条第二項の規定により準用される第二十七条第二項の規定による調査に応じないとき、又は次項において準用する第三十二条第二項の規定により準用される第二十七条第六項ただし書の規定による診断命令に従わないとき。
2 第三十二条第二項、第三項、第四項前段、第五項及び第六項前段の規定は、前項第一号の規定による要支援認定の取消しについて準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(要介護認定等の手続の特例)
第三十五条 認定審査会は、第二十七条第七項(第二十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により審査及び判定を求められた被保険者について、要介護者に該当しないと認める場合であっても、要支援者に該当すると認めるときは、第二十七条第八項(第二十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その旨を市町村に通知することができる。

2 市町村は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る被保険者について、第三十二条第一項の申請がなされ、同条第三項の規定により認定審査会に審査及び判定を求め、同条第四項の規定により認定審査会の通知を受けたものとみなし、要支援認定をすることができる。この場合において、市町村は、当該被保険者に、要支援認定をした旨を通知するとともに、同条第六項各号に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

3 認定審査会は、第三十二条第三項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により審査及び判定を求められた被保険者について、要介護者に該当すると認めるときは、第三十二条第四項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その旨を市町村に通知することができる。

4 市町村は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る被保険者について、第二十七条第一項の申請がなされ、同条第七項の規定により認定審査会に審査及び判定を求め、同条第八項の規定により認定審査会の通知を受けたものとみなし、要介護認定をすることができる。この場合において、市町村は、当該被保険者に、要介護認定をした旨を通知するとともに、同条第十項各号に掲げる事項を当該被保険者の被保険者証に記載し、これを返付するものとする。

5 認定審査会は、第三十一条第二項において準用する第二十七条第七項の規定により審査及び判定を求められた被保険者について、要介護者に該当しないと認める場合であっても、要支援者に該当すると認めるときは、第三十一条第二項において準用する第二十七条第八項の規定にかかわらず、その旨を市町村に通知することができる。

6 市町村は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る被保険者について、第三十二条第一項の申請がなされ、同条第三項の規定により認定審査会に審査及び判定を求め、同条第四項の規定により認定審査会の通知を受けたものとみなし、要支援認定をすることができる。この場合において、市町村は、厚生省令で定めるところにより、当該通知に係る被保険者に対しその被保険者証の提出を求め、これに同条第六項各号に掲げる事項を記載し、これを返付するものとする。

(住所移転後の要介護認定及び要支援認定)
第三十六条 市町村は、他の市町村による要介護認定又は要支援認定を受けている者が当該市町村の行う介護保険の被保険者となった場合において、当該被保険者が、その資格を取得した日から十四日以内に、当該他の市町村から交付された当該要介護認定又は要支援認定に係る事項を証明する書面を添えて、要介護認定又は要支援認定の申請をしたときは、第二十七条第七項及び第十項前段又は第三十二条第三項及び第六項前段の規定にかかわらず、認定審査会の審査及び判定を経ることなく、当該書面に記載されている事項に即して、要介護認定又は要支援認定をすることができる。

(介護給付等対象サービスの種類の指定)
第三十七条 市町村は、要介護認定、要介護更新認定、第二十九条第二項において準用する第二十七条第十項若しくは第三十条第一項の規定による要介護状態区分の変更の認定、要支援認定又は要支援更新認定(以下この項において単に「認定」という。)をするに当たっては、第二十七条第八項第一号(第二十八条第四項、第二十九条第二項及び第三十条第二項において準用する場合を含む。)又は第三十二条第四項第一号(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる事項に係る認定審査会の意見に基づき、当該認定に係る被保険者が受けることができる居宅介護サービス費若しくは特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス若しくは施設介護サービス費若しくは特例施設介護サービス費に係る施設サービス又は居宅支援サービス費若しくは特例居宅支援サービス費に係る居宅サービスの種類を指定することができる。この場合において、市町村は、当該被保険者の被保険者証に、第二十七条第十項後段(第二十八条第四項及び第二十九条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項後段若しくは第三十五条第四項後段又は第三十二条第六項後段(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第三十五条第二項後段若しくは第六項後段の規定による記載に併せて、当該指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類を記載するものとする。

2 前項前段の規定による指定を受けた被保険者は、当該指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類の変更の申請をすることができる。

3 前項の申請は、厚生省令で定めるところにより、被保険者証を添付して行うものとする。

4 市町村は、第二項の申請があった場合において、厚生省令で定めるところにより、認定審査会の意見を聴き、必要があると認めるときは、当該指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類の変更をすることができる。

5 市町村は、前項の規定により第二項の申請に係る被保険者について第一項前段の規定による指定に係る居宅サービス又は施設サービスの種類を変更したときは、その結果を当該被保険者に通知するとともに、当該被保険者の被保険者証に変更後の居宅サービス又は施設サービスの種類を記載し、これを返付するものとする。

(都道府県の援助等)
第三十八条 都道府県は、市町村が行う第二十七条から第三十五条まで及び前条の規定による業務に関し、その設置する福祉事務所(社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。)又は保健所による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うことができる。

2 地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定により市町村の委託を受けて審査判定業務(第二十七条から第三十五条まで及び前条の規定により認定審査会が行う業務をいう。以下同じ。)を行う都道府県に、当該審査判定業務を行わせるため、都道府県介護認定審査会を置く。

3 第十五条及び第十七条の規定は、前項の都道府県介護認定審査会について準用する。この場合において、第十五条中「市町村長(特別区にあっては、区長)」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。

4 審査判定業務を都道府県に委託した市町村について第二十七条(第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項、第三十一条第二項及び第三十二条第五項において準用する場合を含む。)、第三十条、第三十二条(第三十三条第四項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第三十五条から前条までの規定を適用する場合においては、これらの規定中「認定審査会」とあるのは、「都道府県介護認定審査会」とする。

(厚生省令への委任)
第三十九条 この節に定めるもののほか、要介護認定及び要支援認定の申請その他の手続に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

第三節 介護給付
(介護給付の種類)
第四十条 介護給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 居宅介護サービス費の支給
二 特例居宅介護サービス費の支給
三 居宅介護福祉用具購入費の支給
四 居宅介護住宅改修費の支給
五 居宅介護サービス計画費の支給
六 特例居宅介護サービス計画費の支給
七 施設介護サービス費の支給
八 特例施設介護サービス費の支給
九 高額介護サービス費の支給
(居宅介護サービス費の支給)
第四十一条 市町村は、要介護認定を受けた被保険者(以下「要介護被保険者」という。)のうち居宅において介護を受けるもの(以下「居宅要介護被保険者」という。)が、都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅サービス事業者」という。)から当該指定に係る居宅サービス事業を行う事業所により行われる居宅サービス(以下「指定居宅サービス」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護に要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。以下この条において同じ。)について、居宅介護サービス費を支給する。ただし、当該居宅要介護被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の居宅サービスを受けたときは、この限りでない。

2 居宅介護サービス費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 指定居宅サービスを受けようとする居宅要介護被保険者は、厚生省令で定めるところにより、自己の選定する指定居宅サービス事業者について、被保険者証を提示して、当該指定居宅サービスを受けるものとする。

4 居宅介護サービス費の額は、次の各号に掲げる居宅サービスの区分に応じ、当該各号に定める額とする。

一 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション及び福祉用具貸与 これらの居宅サービスの種類ごとに、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの内容、当該指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(通所介護及び通所リハビリテーションに要する費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
二 短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護 これらの居宅サービスの種類ごとに、要介護状態区分、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
5 厚生大臣は、前項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

6 居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき(当該居宅要介護被保険者が第四十六条第四項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生省令で定める場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について、居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。

7 前項の規定による支払があったときは、居宅要介護被保険者に対し居宅介護サービス費の支給があったものとみなす。

8 指定居宅サービス事業者は、指定居宅サービスその他のサービスの提供に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした居宅要介護被保険者に対し、厚生省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。

9 市町村は、指定居宅サービス事業者から居宅介護サービス費の請求があったときは、第四項各号の厚生大臣が定める基準及び第七十四条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準(指定居宅サービスの取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

10 市町村は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を連合会に委託することができる。

11 前項の規定による委託を受けた連合会は、当該委託をした市町村の同意を得て、厚生省令で定めるところにより、当該委託を受けた支払に関する事務の一部を、営利を目的としない法人であって厚生省令で定める要件に該当するものに委託することができる。

12 前各項に規定するもののほか、居宅介護サービス費の支給及び指定居宅サービス事業者の居宅介護サービス費の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特例居宅介護サービス費の支給)
第四十二条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要介護被保険者に対し、特例居宅介護サービス費を支給する 。

一 居宅要介護被保険者が、当該要介護認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定居宅サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 居宅要介護被保険者が、指定居宅サービス以外の居宅サービス又はこれに相当するサービス(指定居宅サービスの事業に係る第七十四条第一項の厚生省令で定める基準及び同項の厚生省令で定める員数並びに同条第二項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準のうち、厚生省令で定めるものを満たすと認められる事業を行う事業所により行われるものに限る。次号及び第五十四条第一項において「基準該当居宅サービス」という。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 指定居宅サービス及び基準該当居宅サービスの確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要介護被保険者が、指定居宅サービス及び基準該当居宅サービス以外の居宅サービス又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
四 その他政令で定めるとき。
2 特例居宅介護サービス費の額は、当該居宅サービス又はこれに相当するサービスについて前条第四項各号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護並びにこれらに相当するサービスに要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額を基準として、市町村が定める。

(居宅介護サービス費等に係る支給限度額)
第四十三条 居宅要介護被保険者が居宅サービス区分(居宅サービス(これに相当するサービスを含む。以下この条において同じ。)について、その種類ごとの相互の代替性の有無等を勘案して厚生大臣が定める二以上の種類からなる区分をいう。以下同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の居宅サービス区分に係る居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額及び特例居宅介護サービス費の額の総額の合計額は、居宅介護サービス費区分支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

2 前項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額は、居宅サービス区分ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービス区分に係る居宅サービスの要介護状態区分に応じた標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第四十一条第四項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案して厚生大臣が定める額とする。

3 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第一項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護サービス費区分支給限度基準額とすることができる。

4 市町村は、居宅要介護被保険者が居宅サービスの種類(居宅サービス区分に含まれるものであって厚生大臣が定めるものに限る。次項において同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の種類の居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額及び特例居宅介護サービス費の額の総額の合計額について、居宅介護サービス費種類支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができないこととすることができる。

5 前項の居宅介護サービス費種類支給限度基準額は、居宅サービスの種類ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービスの要介護状態区分に応じた標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第四十一条第四項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案し、当該居宅サービスを含む居宅サービス区分に係る第一項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額(第三項の規定に基づき条例を定めている市町村にあっては、当該条例による措置が講ぜられた額とする。)の範囲内において、市町村が条例で定める額とする。

6 厚生大臣は、第一項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

7 居宅介護サービス費又は特例居宅介護サービス費を支給することにより第一項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合又は第四項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護サービス費又は特例居宅介護サービス費の額は、第四十一条第四項各号又は前条第二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅介護福祉用具購入費の支給)
第四十四条 市町村は、居宅要介護被保険者が、入浴又は排せつの用に供する福祉用具その他の厚生大臣が定める福祉用具(以下「特定福祉用具」という。)を購入したときは、当該居宅要介護被保険者に対し、居宅介護福祉用具購入費を支給する。

2 居宅介護福祉用具購入費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅介護福祉用具購入費の額は、現に当該特定福祉用具の購入に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要介護被保険者が月を単位として厚生省令で定める期間において購入した特定福祉用具につき支給する居宅介護福祉用具購入費の額の総額は、居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額は、同項に規定する厚生省令で定める期間における特定福祉用具の購入に通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅介護福祉用具購入費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護福祉用具購入費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅介護住宅改修費の支給)
第四十五条 市町村は、居宅要介護被保険者が、手すりの取付けその他の厚生大臣が定める種類の住宅の改修(以下「住宅改修」という。)を行ったときは、当該居宅要介護被保険者に対し、居宅介護住宅改修費を支給する。

2 居宅介護住宅改修費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅介護住宅改修費の額は、現に当該住宅改修に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要介護被保険者が行った一の種類の住宅改修につき支給する居宅介護住宅改修費の額の総額は、居宅介護住宅改修費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修の種類ごとに、通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護住宅改修費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅介護住宅改修費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅介護住宅改修費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅介護住宅改修費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅介護サービス計画費の支給)
第四十六条 市町村は、居宅要介護被保険者が、都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅介護支援事業者」という。)から当該指定に係る居宅介護支援事業を行う事業所により行われる居宅介護支援(以下「指定居宅介護支援」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅介護サービス計画費を支給する。

2 居宅介護サービス計画費の額は、指定居宅介護支援の事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される指定居宅介護支援に要する平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅介護支援に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅介護支援に要した費用の額とする。)とする。

3 厚生大臣は、前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

4 居宅要介護被保険者が指定居宅介護支援事業者から指定居宅介護支援を受けたとき(当該居宅要介護被保険者が、厚生省令で定めるところにより、当該指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅介護支援事業者に支払うべき当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅介護サービス計画費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅介護支援事業者に支払うことができる。

5 前項の規定による支払があったときは、居宅要介護被保険者に対し居宅介護サービス計画費の支給があったものとみなす。

6 市町村は、指定居宅介護支援事業者から居宅介護サービス計画費の請求があったときは、第二項の厚生大臣が定める基準及び第八十一条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準(指定居宅介護支援の取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

7 第四十一条第二項、第三項、第十項及び第十一項の規定は、居宅介護サービス計画費の支給について、同条第八項の規定は、指定居宅介護支援事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

8 前各項に規定するもののほか、居宅介護サービス計画費の支給及び指定居宅介護支援事業者の居宅介護サービス計画費の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特例居宅介護サービス計画費の支給)
第四十七条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要介護被保険者に対し、特例居宅介護サービス計画費を支給する。

一 居宅要介護被保険者が、指定居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービス(指定居宅介護支援の事業に係る第八十一条第一項の厚生省令で定める員数及び同条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準のうち、厚生省令で定めるものを満たすと認められる事業を行う事業所により行われるものに限る。次号及び第五十九条第一項において「基準該当居宅介護支援」という。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援の確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要介護被保険者が、指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 その他政令で定めるとき。
2 特例居宅介護サービス計画費の額は、当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスについて前条第二項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)を基準として、市町村が定める。

(施設介護サービス費の支給)
第四十八条 市町村は、要介護被保険者が、次に掲げる施設サービス(以下「指定施設サービス等」という。)を受けたときは、当該要介護被保険者に対し、当該指定施設サービス等に要した費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。以下この条において同じ。)について、施設介護サービス費を支給する。ただし、当該要介護被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の施設サービスを受けたときは、この限りでない。

一 都道府県知事が指定する介護老人福祉施設(以下「指定介護老人福祉施設」という。)により行われる介護福祉施設サービス(以下「指定介護福祉施設サービス」という。)
二 介護保健施設サービス
三 都道府県知事が指定する介護療養型医療施設(以下「指定介護療養型医療施設」という。)により行われる介護療養施設サービス(以下「指定介護療養施設サービス」という。)
2 施設介護サービス費の額は、第一号に規定する額及び第二号に規定する額の合計額とする。

一 施設サービスの種類ごとに、要介護状態区分、当該施設サービスの種類に係る指定施設サービス等を行う介護保険施設の所在する地域等を勘案して算定される当該指定施設サービス等(食事の提供を除く。)に要する平均的な費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定施設サービス等に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定施設サービス等に要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
二 前号の介護保険施設における食事の提供に要する平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)から、平均的な家計における食費の状況を勘案して厚生大臣が定める額(所得の状況その他の事情をしん酌して厚生省令で定める者については、厚生大臣が別に定める額とする。以下「標準負担額」という。)を控除した額
3 厚生大臣は、標準負担額を定めた後に食費の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならない。

4 厚生大臣は、第二項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

5 要介護被保険者が、介護保険施設から指定施設サービス等を受けたときは、市町村は、当該要介護被保険者が当該介護保険施設に支払うべき当該指定施設サービス等に要した費用について、施設介護サービス費として当該要介護被保険者に支給すべき額の限度において、当該要介護被保険者に代わり、当該介護保険施設に支払うことができる。

6 前項の規定による支払があったときは、要介護被保険者に対し施設介護サービス費の支給があったものとみなす。

7 市町村は、介護保険施設から施設介護サービス費の請求があったときは、第二項各号の厚生大臣が定める基準及び第八十八条第二項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準(指定介護福祉施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)、第九十七条第三項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準(介護保健施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)又は第百十条第二項に規定する指定介護療養型医療施設の設備及び運営に関する基準(指定介護療養施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

8 第四十一条第二項、第三項、第十項及び第十一項の規定は、施設介護サービス費の支給について、同条第八項の規定は、介護保険施設について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

9 前各項に規定するもののほか、施設介護サービス費の支給及び介護保険施設の施設介護サービス費の請求に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

(特例施設介護サービス費の支給)
第四十九条 市町村は、次に掲げる場合には、要介護被保険者に対し、特例施設介護サービス費を支給する。

一 要介護被保険者が、当該要介護認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定施設サービス等を受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 その他政令で定めるとき。
2 特例施設介護サービス費の額は、当該施設サービス(食事の提供を除く。)について前条第二項第一号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該施設サービスに要した費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に施設サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額及び当該食事の提供について同項第二号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)から標準負担額を控除した額を基準として、市町村が定める。

(居宅介護サービス費等の額の特例)
第五十条 市町村が、災害その他の厚生省令で定める特別の事情があることにより、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス、特定福祉用具の購入又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた要介護被保険者が受ける次の各号に掲げる介護給付について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。

一 居宅介護サービス費の支給 第四十一条第四項第一号及び第二号並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
二 特例居宅介護サービス費の支給 第四十二条第二項並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
三 施設介護サービス費の支給 第四十八条第二項第一号
四 特例施設介護サービス費の支給 第四十九条第二項
五 居宅介護福祉用具購入費の支給 第四十四条第三項、第四項及び第八項
六 居宅介護住宅改修費の支給 第四十五条第三項、第四項及び第八項
(高額介護サービス費の支給)
第五十一条 市町村は、要介護被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)又は施設サービスに要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、施設介護サービス費及び特例施設介護サービス費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該要介護被保険者に対し、高額介護サービス費を支給する。

2 前項に規定するもののほか、高額介護サービス費の支給要件、支給額その他高額介護サービス費の支給に関して必要な事項は、居宅サービス又は施設サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。

(もどる)

第四節 予防給付
(予防給付の種類)
第五十二条 予防給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 居宅支援サービス費の支給
二 特例居宅支援サービス費の支給
三 居宅支援福祉用具購入費の支給
四 居宅支援住宅改修費の支給
五 居宅支援サービス計画費の支給
六 特例居宅支援サービス計画費の支給
七 高額居宅支援サービス費の支給
(居宅支援サービス費の支給)
第五十三条 市町村は、要支援認定を受けた被保険者のうち居宅において日常生活を営むもの(以下「居宅要支援被保険者」という。)が、指定居宅サービス事業者から指定居宅サービス(痴呆対応型共同生活介護を除く。以下この節において同じ。)を受けたときは、当該居宅要支援被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入所者生活介護に要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。次項において同じ。)について、居宅支援サービス費を支給する。ただし、当該居宅要支援被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の居宅サービスを受けたときは、この限りでない。

2 居宅支援サービス費の額は、次の各号に掲げる居宅サービスの区分に応じ、当該各号に定める額とする。

一 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション及び福祉用具貸与 これらの居宅サービスの種類ごとに、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの内容、当該指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(通所介護及び通所リハビリテーションに要する費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
二 短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入所者生活介護 これらの居宅サービスの種類ごとに、当該居宅サービスの種類に係る指定居宅サービスの事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅サービスに要する平均的な費用(日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額
3 厚生大臣は、前項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

4 第四十一条第二項、第三項、第六項、第七項及び第九項から第十二項までの規定は、居宅支援サービス費の支給について、同条第八項の規定は、指定居宅サービス事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(特例居宅支援サービス費の支給)
第五十四条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要支援被保険者に対し、特例居宅支援サービス費を支給する。

一 居宅要支援被保険者が、当該要支援認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定居宅サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 居宅要支援被保険者が、基準該当居宅サービス(痴呆対応型共同生活介護に相当するものを除く。次号において同じ。)を受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 指定居宅サービス及び基準該当居宅サービスの確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要支援被保険者が、指定居宅サービス及び基準該当居宅サービス以外の居宅サービス又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
四 その他政令で定めるとき。
2 特例居宅支援サービス費の額は、当該居宅サービス又はこれに相当するサービスについて前条第二項各号の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入所者生活介護並びにこれらに相当するサービスに要した費用については、日常生活に要する費用として厚生省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に居宅サービス又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額を基準として、市町村が定める。

(居宅支援サービス費等に係る支給限度額)
第五十五条 居宅要支援被保険者が居宅サービス区分ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の居宅サービス区分に係る居宅サービス(これに相当するサービスを含む。以下この条において同じ。)につき支給する居宅支援サービス費の額の総額及び特例居宅支援サービス費の額の総額の合計額は、居宅支援サービス費区分支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

2 前項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額は、居宅サービス区分ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービス区分に係る居宅サービスの標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第五十三条第二項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案して厚生大臣が定める額とする。

3 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第一項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅支援サービス費区分支給限度基準額とすることができる。

4 市町村は、居宅要支援被保険者が居宅サービスの種類(居宅サービス区分に含まれるものであって厚生大臣が定めるものに限る。次項において同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の種類の居宅サービスにつき支給する居宅支援サービス費の額の総額及び特例居宅支援サービス費の額の総額の合計額について、居宅支援サービス費種類支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができないこととすることができる。

5 前項の居宅支援サービス費種類支給限度基準額は、居宅サービスの種類ごとに、同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービスの標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第五十三条第二項各号の厚生大臣が定める基準等を勘案し、当該居宅サービスを含む居宅サービス区分に係る第一項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額(第三項の規定に基づき条例を定めている市町村にあっては、当該条例による措置が講ぜられた額とする。)の範囲内において、市町村が条例で定める額とする。

6 厚生大臣は、第一項の居宅支援サービス費区分支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

7 居宅支援サービス費又は特例居宅支援サービス費を支給することにより第一項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合又は第四項に規定する合計額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅支援サービス費又は特例居宅支援サービス費の額は、第五十三条第二項各号又は前条第二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅支援福祉用具購入費の支給)
第五十六条 市町村は、居宅要支援被保険者が、特定福祉用具を購入したときは、当該居宅要支援被保険者に対し、居宅支援福祉用具購入費を支給する。

2 居宅支援福祉用具購入費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅支援福祉用具購入費の額は、現に当該特定福祉用具の購入に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要支援被保険者が月を単位として厚生省令で定める期間において購入した特定福祉用具につき支給する居宅支援福祉用具購入費の額の総額は、居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額は、同項に規定する厚生省令で定める期間における特定福祉用具の購入に通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅支援福祉用具購入費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅支援福祉用具購入費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅支援福祉用具購入費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅支援住宅改修費の支給)
第五十七条 市町村は、居宅要支援被保険者が、住宅改修を行ったときは、当該居宅要支援被保険者に対し、居宅支援住宅改修費を支給する。

2 居宅支援住宅改修費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3 居宅支援住宅改修費の額は、現に当該住宅改修に要した費用の額の百分の九十に相当する額とする。

4 居宅要支援被保険者が行った一の種類の住宅改修につき支給する居宅支援住宅改修費の額の総額は、居宅支援住宅改修費支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の百分の九十に相当する額を超えることができない。

5 前項の居宅支援住宅改修費支給限度基準額は、住宅改修の種類ごとに、通常要する費用を勘案して厚生大臣が定める額とする。

6 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第四項の居宅支援住宅改修費支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅支援住宅改修費支給限度基準額とすることができる。

7 厚生大臣は、第四項の居宅支援住宅改修費支給限度基準額を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

8 居宅支援住宅改修費を支給することにより第四項に規定する総額が同項に規定する百分の九十に相当する額を超える場合における当該居宅支援住宅改修費の額は、第三項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより算定した額とする。

(居宅支援サービス計画費の支給)
第五十八条 市町村は、居宅要支援被保険者が、指定居宅介護支援事業者から指定居宅介護支援を受けたときは、当該居宅要支援被保険者に対し、当該指定居宅介護支援に要した費用について、居宅支援サービス計画費を支給する。

2 居宅支援サービス計画費の額は、指定居宅介護支援の事業を行う事業所の所在する地域等を勘案して算定される当該指定居宅介護支援に要する平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅介護支援に要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅介護支援に要した費用の額とする。)とする。

3 厚生大臣は、前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

4 第四十六条第四項から第八項までの規定は、居宅支援サービス計画費の支給及び指定居宅介護支援事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

(特例居宅支援サービス計画費の支給)
第五十九条 市町村は、次に掲げる場合には、居宅要支援被保険者に対し、特例居宅支援サービス計画費を支給する。

一 居宅要支援被保険者が、基準該当居宅介護支援を受けた場合において、必要があると認めるとき。
二 指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援の確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生大臣が定める基準に該当するものに住所を有する居宅要支援被保険者が、指定居宅介護支援及び基準該当居宅介護支援以外の居宅介護支援又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
三 その他政令で定めるとき。
2 特例居宅支援サービス計画費の額は、当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスについて前条第二項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に居宅介護支援又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)を基準として、市町村が定める。

(居宅支援サービス費等の額の特例)
第六十条 市町村が、災害その他の厚生省令で定める特別の事情があることにより、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、特定福祉用具の購入又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた居宅要支援被保険者が受ける次の各号に掲げる予防給付について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。

一 居宅支援サービス費の支給 第五十三条第二項第一号及び第二号並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
二 特例居宅支援サービス費の支給 第五十四条第二項並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
三 居宅支援福祉用具購入費の支給 第五十六条第三項、第四項及び第八項
四 居宅支援住宅改修費の支給 第五十七条第三項、第四項及び第八項
(高額居宅支援サービス費の支給)
第六十一条 市町村は、居宅要支援被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)に要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された居宅支援サービス費及び特例居宅支援サービス費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該居宅要支援被保険者に対し、高額居宅支援サービス費を支給する。

2 前項に規定するもののほか、高額居宅支援サービス費の支給要件、支給額その他高額居宅支援サービス費の支給に関して必要な事項は、居宅サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。

第五節 市町村特別給付 
第六十二条 市町村は、要介護被保険者又は居宅要支援被保険者(以下「要介護被保険者等」という。)に対し、前二節の保険給付のほか、条例で定めるところにより、市町村特別給付を行うことができる。

第六節 保険給付の制限等
(保険給付の制限)
第六十三条 監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された者については、その期間に係る介護給付等は、行わない。

第六十四条 市町村は、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由なしに介護給付等対象サービスの利用、居宅介護福祉用具購入費若しくは居宅支援福祉用具購入費に係る特定福祉用具の購入若しくは居宅介護住宅改修費若しくは居宅支援住宅改修費に係る住宅改修の実施に関する指示に従わないことにより、要介護状態等若しくはその原因となった事故を生じさせ、又は要介護状態等の程度を増進させた被保険者の当該要介護状態等については、これを支給事由とする介護給付等は、その全部又は一部を行わないことができる。

第六十五条 市町村は、介護給付等を受ける者が、正当な理由なしに、第二十三条の規定による求めに応ぜず、又は答弁を拒んだときは、介護給付等の全部又は一部を行わないことができる。

(保険料滞納者に係る支払方法の変更)
第六十六条 市町村は、保険料を滞納している第一号被保険者である要介護被保険者等(原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)による一般疾病医療費の支給その他厚生省令で定める医療に関する給付を受けることができるものを除く。)が、当該保険料の納期限から厚生省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に、第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)及び第四十八条第五項の規定を適用しない旨の記載(以下この条及び次条第三項において「支払方法変更の記載」という。)をするものとする。

2 市町村は、前項に規定する厚生省令で定める期間が経過しない場合においても、同項に規定する政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、同項に規定する要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に支払方法変更の記載をすることができる。

3 市町村は、前二項の規定により支払方法変更の記載を受けた要介護被保険者等が滞納している保険料を完納したとき、又は当該要介護被保険者等に係る滞納額の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該支払方法変更の記載を消除するものとする。

4 第一項又は第二項の規定により支払方法変更の記載を受けた要介護被保険者等が、当該支払方法の変更の記載がなされている間に受けた指定居宅サービス、指定居宅介護支援及び指定施設サービス等に係る居宅介護サービス費の支給及び居宅支援サービス費の支給、居宅介護サービス計画費の支給及び居宅支援サービス計画費の支給並びに施設介護サービス費の支給については、第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)及び第四十八条第五項の規定は適用しない。

(保険給付の支払の一時差止)
第六十七条 市町村は、保険給付を受けることができる第一号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から厚生省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。

2 市町村は、前項に規定する厚生省令で定める期間が経過しない場合においても、保険給付を受けることができる第一号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納している場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めることができる。

3 市町村は、前条第一項又は第二項の規定により支払方法変更の記載を受けている要介護被保険者等であって、前二項の規定による保険給付の全部又は一部の支払の一時差止がなされているものが、なお滞納している保険料を納付しない場合においては、厚生省令で定めるところにより、あらかじめ、当該要介護被保険者等に通知して、当該一時差止に係る保険給付の額から当該要介護被保険者等が滞納している保険料額を控除することができる。

(医療保険各法の規定による保険料等に未納がある者に対する保険給付の一時差止)
第六十八条 市町村は、保険給付を受けることができる第二号被保険者である要介護被保険者等について、医療保険各法の定めるところにより当該要介護被保険者等が納付義務又は払込義務を負う保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。)又は掛金であってその納期限又は払込期限までに納付しなかったもの(以下この項及び次項において「未納医療保険料等」という。)がある場合においては、未納医療保険料等があることにつき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等に対し被保険者証の提出を求め、当該被保険者証に、第四十一条第六項(第五十三条第四項において準用する場合を含む。)、第四十六条第四項(第五十八条第四項において準用する場合を含む。)及び第四十八条第五項の規定を適用しない旨並びに保険給付の全部又は一部の支払を差し止める旨の記載(以下この条において「保険給付差止の記載」という。)をすることができる。

2 市町村は、前項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等が、未納医療保険料等を完納したとき、又は当該要介護被保険者等に係る未納医療保険料等の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該保険給付差止の記載を消除するものとする。

3 第六十六条第四項の規定は、第一項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等について準用する。

4 市町村は、第一項の規定により保険給付差止の記載を受けた要介護被保険者等について、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。

5 市町村は、要介護被保険者等についての保険給付差止の記載に関し必要があると認めるときは、当該要介護被保険者等の加入する医療保険者に対し、当該要介護被保険者等に係る医療保険各法の規定により徴収される保険料(地方税法の規定により徴収される国民健康保険税を含む。)又は掛金の納付状況その他厚生省令で定める事項について、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等の加入する医療保険者に対し、情報の提供を求めることができる。

(保険料を徴収する権利が消滅した場合の保険給付の特例)
第六十九条 市町村は、要介護認定、要介護更新認定、第二十九条第二項において準用する第二十七条第十項若しくは第三十条第一項の規定による要介護状態区分の変更の認定、要支援認定又は要支援更新認定(以下この項において単に「認定」という。)をした場合において、当該認定に係る第一号被保険者である要介護被保険者等について保険料徴収権消滅期間(当該期間に係る保険料を徴収する権利が時効によって消滅している期間につき政令で定めるところにより算定された期間をいう。以下この項において同じ。)があるときは、厚生省令で定めるところにより、当該要介護被保険者等の被保険者証に、当該認定に係る第二十七条第十項後段(第二十八条第四項及び第二十九条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項後段若しくは第三十五条第四項後段又は第三十二条第六項後段(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第三十五条第二項後段若しくは第六項後段の規定による記載に併せて、介護給付等(居宅介護サービス計画費の支給、特例居宅介護サービス計画費の支給、居宅支援サービス計画費の支給及び特例居宅支援サービス計画費の支給並びに高額介護サービス費の支給及び高額居宅支援サービス費の支給を除く。)の額の減額を行う旨並びに高額介護サービス費及び高額居宅支援サービス費の支給を行わない旨並びにこれらの措置がとられる期間(市町村が、政令で定めるところにより、保険料徴収権消滅期間に応じて定める期間をいう。以下この条において「給付額減額期間」という。)の記載(以下この条において「給付額減額等の記載」という。)をするものとする。ただし、当該要介護被保険者等について、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、この限りでない。

2 市町村は、前項の規定により給付額減額等の記載を受けた要介護被保険者等について、同項ただし書の政令で定める特別の事情があると認めるとき、又は給付額減額期間が経過したときは、当該給付額減額等の記載を消除するものとする。

3 第一項の規定により給付額減額等の記載を受けた要介護被保険者等が、当該記載を受けた日の属する月の翌月の初日から当該給付額減額期間が経過するまでの間に利用した居宅サービス(これに相当するサービスを含む。次項において同じ。)及び施設サービス、購入した特定福祉用具並びに行った住宅改修に係る次の各号に掲げる介護給付等について当該各号に定める規定を適用する場合においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の七十」とする。

一 居宅介護サービス費の支給 第四十一条第四項第一号及び第二号並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
二 特例居宅介護サービス費の支給 第四十二条第二項並びに第四十三条第一項、第四項及び第七項
三 施設介護サービス費の支給 第四十八条第二項第一号
四 特例施設介護サービス費の支給 第四十九条第二項
五 居宅支援サービス費の支給 第五十三条第二項第一号及び第二号並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
六 特例居宅支援サービス費の支給 第五十四条第二項並びに第五十五条第一項、第四項及び第七項
七 居宅介護福祉用具購入費の支給 第四十四条第三項、第四項及び第八項
八 居宅支援福祉用具購入費の支給 第五十六条第三項、第四項及び第八項
九 居宅介護住宅改修費の支給 第四十五条第三項、第四項及び第八項
十 居宅支援住宅改修費の支給 第五十七条第三項、第四項及び第八項
4 第一項の規定により給付額減額等の記載を受けた要介護被保険者等が、当該記載を受けた日の属する月の翌月の初日から当該給付額減額期間が経過するまでの間に受けた居宅サービス及び施設サービスに要する費用については、第五十一条第一項及び第六十一条第一項の規定は、適用しない。 続き

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